広食性土着天敵ォオメカメムシを用いた施設野菜類の害虫防除

摘要

食の安全、安心や環境保全に対する社会の関心は 高まる一方であり，これらに対応するため,農業生 産現場からは減農薬、減化学肥料等につながる農業 技術のさらなる発展が強く求められている.また， 我が国では農業の担い手の高齢化と減少が深刻な 状況であり，農業生産の規模を維持、拡大するうえ で，省力的な農業技術の速やかな開発と普及が緊急 的な課題となっている. このような状況下，主に施設園芸における化学合 成農薬に代わる、害虫防除手段の一つとしで,天敵昆 虫等を商品化した生物農薬が注目されている, 従来， 生物農薬は外来種を用いたものが主体であつが， 近年，これら外来種と比較して生態系に悪影響を及 ぼす恐れが少なく，かつ我が国の風土に適応してい る有力な在来天敵を商品化し，これを利用する動きも活発化している（矢野2003).