大規模干拓地における畜産経営の環境、経営的に持続可能な農業生産システムの構築 －同山県笠岡湾干拓地を事例として－

摘要

我が国の畜産経営は，輸入飼料に依存し加工型畜産として発展してきた．その結果，大量に発生する家畜排せつ物による環境汚染が重大な問題となっている．1993年に家畜排せつ物法をはじめとする環境三法が制定され，2004年に本格施行されて以降，家畜排せつ物の適切な処理が義務付けられた．しかし，畜産経営に由来する環境問題の根本的な解決には至っていない．この様な環境問題の解決には，畜産農家が経営、経済的に成立する為の対策が不可欠である．そこで，本研究では，笠岡湾干拓地内の畜産農家を対象として，数理計画法を適用し，環境及び経営的に持続的な農業生産システムの構築を行った．