バングラデシュ農村における開発サービスの調整と住民満足度に関する研究－カリハティ郡の2つの村落を事例にして－

摘要

開発の統治governanceという点で，バングラデシュにおける農村開発の深刻な問題の1つが開発サービスの配分allocation、利用use、管理managementのゆがみである．この問題を解決する為に，バングラデシュにおける地方分権化の動きの中で，地方行政、自治の向上に関係する多様な寂り組み（例えば，職員研修の実施，村落行政府gram sarker（village government）の設置など）が国際協力や自助努力の形で行なわれてきている．それらの1つとして，末端行政段階での開発行政サービスの調整というタンガイル県districtカリハティ郡upazilaにおける国際協力プロジェクトによる試みは，バングラデシュ農村開発関係者の強い関心を引いている．本研究では，開発サービスに関する住民認識awareness及び現場職員の説明責任accountabilityにおいて一定の成果を挙げているこの地域段階の調整local coordination（活動及び仕組み）の持続性の一側面について，行政サービスに関する参加participation及び満足の視点から分析して考察する．