農空間の果たすレクリエーション機能の便益関数移転

摘要

本稿ではトラベルコスト法を用いて農空間のレクリエーション機能の評価を行い，その便益関数の移転可能性について分析を行う。 農空間は多面的機能の－つとしてレクリエーション機能を提供している。 この機能は排除可能性が低く，非競合的であるため，社会的な最適供給が実現されない可能性が高く，公的機関による整備事業等が必要となる。 そこで農空間整備事業の必要性，正当性を検討する上で重要と思われる，農空間の便益を把握することを一つの課題とする。 また，その過程で便益関数移転についてもあわせて分析を行う。 浅野（1998）は，トラベルコスト法は緑資源，オープンスペース提供機能，保健。 休養機能などの使用価値を形成する多面的機能の評価に用いられる手法と位置づけており，国内でもこの方法を用いたいくつかの研究事例が存在する注り。