揚水水車に対する非農業者の選好性評価の構造化-倉敷市祐安地区の農業用水路を事例に-

摘要

我が国は,縄文時代後期から稲作農業を展開しており,稲作を行う上で欠かせない農業水利施設は,現在まで様々な文化を蓄積してきたと考えられる.旧国土庁長官官房水資源部は,水文化を「人々が,水を上手に活用し,また水を制する中で,長い時間をかけ生み出されてきた有形,無形の文化や伝統(以下略)」と定義し,その保存再生の必要性を言匿っている.揚水水車はそのような水文化によって生み出された,水路の流れを利用して水田-揚水かhがいする施設である.揚水水車は高度経済成長期以降急激に数を減らし,現在では,三重県以西の西日本で利用されている地区がわずかに散見される.