人材投資資金(旧青年就農給付金)の仕組み、その成果と課題

摘要

図はこの政策の目標を説明する際に農水省が使つた資料である。先行する仏の成功した政策を日本に導入した際に数値目標を出したものであり、人を直接に確保するという効果の大きい農業政策を分かりやすく説明している。今もその政策の意義に変わりはないが、農水省としては「フ口—ベ—スの離農率を把握するのは難しく、今はストツクべ—スでー一〇一一三年までに四〇万人という目標のみを掲げ」そこに向けて少しずつ増やしていく姿勢.-とのことである。ただしかなり概数的な目標である。土地利用型作物を、基幹的農業従事者一人が 一〇.ha耕作するとして一一九四万.S (全体の面積の八割)に対して約三〇万人、野菜、果樹、畜産等を、主業農家約五四万人(二尸に基幹的農業従事者二人と仮定)と法人の基幹的農業従事者約六万人を合わせて約六〇万人、計九〇万人の基幹的従事者が必要と計算した。ちなみに一九年の基幹的農業従事者数は一四〇万人だが、九年前の一〇年では一一〇五万人だつたものが九年間で三割も減少した。しかも一九年では六五歳以上が七割を占め六五歳以下は三割の四三万人に過ぎない。これを受けて農業従事者が今後も安定的に確保されるためには、四九歳以下の四o万人は絶対に必要で二〇一ニニ年までに確保すべき最低人数として受け止めたのである。そして四万人の維持には、毎年二万人の青年層(四四歳以下層)が新規に就農し農業を継続していくことが必要になると計算した。ただし雇用者を含めて考えており基幹的農業従事者の数だけではない。