筑波山のヨモギから見出されたヨモギツブセンチュウについて

摘要

茨城県筑波山に自生するヨモギ（Artemisia princeps Pampan）の葉や頭花に直径1～2mm程度の白色，球状で無柄のゴールが形成されているのを発見した。 ゴールの内腔には，線虫の成虫や幼虫および卵などが寄生していた。 ゴールの特徴や線虫の形態から，本線虫はツブセンチュウ類であると推定されたが，我が国に自生するヨモギ属植物を寄主とするツブセンチュウの詳細な記載はない。 そこで，本線虫の形態観察による分類学的検討を行った。 その結果，本線虫はヨモギツブセンチュウ（Subaanguina moxae（Yokoo and Choi）Brzeski，1981）であることが判明した。 以下に本線虫の形態を図示して記述する。