Lawsonia intracellularis感染における宿主適応の形跡

摘要

Lawsonia intracellularis (以下Li)は腸米占膜上 皮細胞の増殖による過形成、それに伴う腸粘膜の 肥厚化が特徴的な増殖性腸疾患（PE)の原因菌 である。Li感染症はブタでは地方病的な、ゥマで は新興感染症としての発生が認められている。Li は偏性細胞内寄生菌であるため人工寒天培地での 培養が困難であり、不明な点は多い。特徴的な過 形成病変はPEで共通だが、臨床的および病理学 的所見は感染した動物種により異なることが知ら れている。そこで我々はLi感染において、ブタ およびゥマに対する感受性はLiを分離した動物 種に応じて変化すると仮定した。本研究の目的は、 ブタおよびゥマに対しそれぞれ種特異的な分離株 を感染させた際の臨床症状、糞便中への細菌排出、 血清学的免疫応答の違いによって、ブタおよびゥ マのLiに対する感受性を評価することである。