立位mri検査にょリ摘出範囲を特定した 若齢サラブレツド種競走馬の球状角壁腫

摘要

角壁腫とは、蹄壁蹄骨間に形成される角質 の贅生で柱状および球状の良性腫瘍である。 現在のところ、高齢馬や乗用馬での発症が報 告されている。主に蹄冠部の外傷や蹄膿瘍に 起因すると言われており、角壁腫が蹄内で増 大することで、真皮葉や蹄骨が圧迫され、進行 するにつれて蹄骨を侵食し、骨融解が引き起 こされる。臨床症状は間欠的跛行、蹄底および 蹄壁における膨隆など外貌の異常、レントゲ ン検査における骨吸収像などが認められる。 治療は、外科的介入による完全切除が必要で、 不完全な場合は残存組織からの再発リスクが 高い。術後は、蹄の形態および機能維持のため に、フーフキャストや鉄橋付蹄鉄などによる 装蹄療法が行われる。予後は一般的に良好で あり、乗用馬では完全除去できた場合、ほとh どの症例で競技能力を回復したという報告が ある。