分娩性起立不能症の予防を目的としたクローズアップ期における硫酸マグネシウム投与の効果

摘要

分娩性起立不能症の主因である分娩麻痺は泌乳量の増大によってもたらされた生産病の典型であって，その発生は生産性の追及に伴って増加し続けている。 従来よりその予防には，飼料面からCaの添加を抑制する方法の他にビタミンD_3やその代謝物を投与する方法などが行われてきたが，栄養成分のバランスを損なう場合や分娩日予測の困難さから，再投与した場合の中毒などの危険性が指摘されていて実際には普及していない。 そこで，今回筆者らは飼料面からの新たな予防の試みとしてクローズアップ期飼料へ硫酸マグネシウム（以下硫マ）を添加して，その効果について検討したので報告する。