乳牛の移行期における栄養の障害を免疫学的な視点から考える

摘要

現在，世界の先進酪農国では濃厚飼料，すなわち穀類多給に依存した高泌乳時代を形成した反動として，高泌乳に伴う総収入は増加したものの，乳牛の周産期に，生産，つまり高泌乳に伴う栄養，代謝機能の乱れから種々の代謝病，消化器を中心とした臓器障害，繁殖障害，ならびに免疫機能の低下に伴う日和見感染症が多発し，酪農経営としてはかえって純収益が低下しているメガファームや酪農家が増加する傾向にある。