腸の立体解剖

摘要

今回は腸について取り上げます。子牛では呼吸器疾患と消化器疾患がメインとなると思います。消化器疾患では特に腸炎や腸閉塞が問題となりますが，これらを正しく理解するためには腸の走行の3Dィ メージが頭のなかにあると有益と思います。子牛の腸の走行については，成牛とそれほど大きな差があるわけではないようです。胃を出て十二指腸としては じまり，肝臓に沿って上行して前十二指腸曲をつくり，十二指腸下行部として後方へ向かいます。後十二指腸曲で 折り返して再び前方へ走り十二指腸上行部となり.結腸につながる間膜で支えられなくなったところからが空腸と なります。空腸は腸間膜が最も広い部分であり，そのため可動性が高い領域です。空回腸の境^は盲腸との間膜が 結合したところからで.ここから回腸となります。回腸は回盲腸ヒダでつながった非常に短い区間であり，盲腸お よび結腸への開口部である回腸口で盲腸および結腸へ連絡します。