重症肺炎を発症した黒毛子牛

摘要

子牛の肺炎は，その成長に多大な影響を及ぼす感染症であり.獣医療において最も重要な疾患のひとつである。また， 子牛の肺炎は他の動物に比較し重症化しても死亡する割合は少なく，体重の増加がほとhどないまま飼養され続けられる こともある。しかし，生存している間は，飼養環境中に肺炎原因菌を排出し続ける可能性が高いため.その治療および管 理はきわめて重要である。本稿では，臨床現場において，重症肺炎を発症し良化の見込みが低いと判断された子牛が鹿児 島大学附属動物病院に入院し，集中的な治療により全身状態の改善が認められたため退院し，その後も順調に経過してい るのでその概要を紹介する。