良質な粗飼料とは

摘要

粗飼料の種類については，日本酪農の粗飼料給与を地域 的に類型化するところからはじめる。北海道の草地型酪農地帯では牧草サィレージが主体で，例えば原物で35 kg,乾 物で10 kgが1日に給与される。北海道の畑作酪農地帯で は，牧草サイレージとトウモロコシサイレージの併給であ り，乾物で牧草サイレージが6.8 kg,トウモロコシサイレー ジが4.5kgというような具合である。都府県では，夏作で トウモロコシサイレージゃソルガムサイレージがっくら れ，冬作でィタリアンライグラスが中心である力s,九州な どの暖地ではバヒアグラスやローズグラスなどの暖地型牧 草も利用されている。しかし，筆者は開東、東海地方を主 に見てきたが，都府県酪農においては輸入の乾草（チモ シー，オーツ，アルフアルファ，スーダングラスなど）力《粗 飼料給与の中核を占めている所が多いと言ってよいであろ う。1例を示すと，日乳量39 kgの泌乳牛に対する乾物給与 量は，チモシ一乾草が3.8 kg,アルフアルファ乾草が2.9 kg, バミユーダグラス乾草が0.5 kg,トゥモロコシサイレージ 力".2 kg,稲ワラ力5'0.4 kgで，粗飼料給与量の82%が輸入 乾草という形もあるし.季節によっては粗飼料が輸入乾草 のみという所も少なくはなかった2'。しかし.最近では輸 入乾草を代替するものとして，稲発酵粗飼料(稲WCS)の 利用量が増加しているようだ。