豚流行性下痢(PED)流行に見る 地域、農場防疫の課題

摘要

豚流行性下痢(PED)は昨年10月の沖繩県での発生以 降，本年1月までは鹿児島県や宮崎県の養豚密集地を中心 に発生が広がった。2月後半には愛知県，青森県と南九州 以外での発生が起こり，3月以降は近畿地方を除く全国各 地で発生が急増した。確認された発生農場は7月25日現在 で.38道県の813農場を数えている（表一1)。発生農場数 は4月中旬から下旬がピークとなり，6月以降の発生は減 少傾向に転じている（図一1)。一方，全国の発生農場の飼 養農場数に対する割合では14.6%ほどで，現状では数多く の未発生農場も存在している。このような状況のなかで， 各農場では農場防疫の強化や地域ぐるみのウィルス侵入防 止対策に努力している。