暑熱時の栄養管理

摘要

ここ数年，暑い夏が続いている。 これまで暑熱ストレスに無縁と思われていた北海道でさえも，最高気温が30°Cを超える日が続くなど，暑熱ストレスによる影響は全国に及hでいる。 乳牛は暑熱ストレスを受けると，呼吸や発汗にょり余分にエネルギーを消費し，乾物摂取量の低下（8～12％），産乳量の20～30％の低下，発情停止や受胎率の低下を招くことが知られている。 乳牛にとっての最適気温は20°Cであり，25°Cを超えるとストレスを感じるようになる。 また，気温だけでなく湿度もストレスの強さに関連し，温湿度指数が80を超えると強いストレスを感じるようになる（表－1）。 図－1に島根県松江市の2004年6月から9月の平均気温と温湿度指数の推移を示した。6月中旬には温湿度指数が72を超える日があり，6月から暑熱ストレスがはじまり9月中旬まで暑熱ストレスが続いていることが分かる。 また，図－2に示した8月6日の日内変動をみると，夜間でも湿湿度指数が72を超え，一月中暑熱ストレスにさらされていることが分かる。このことから暑熱対策は，6月にはスタートしないと後手に回り，真夏には一日中何らかの対策が必要となることが分かる。