鳥羽曙の竹炭指南8荒羽竹林からの竹材生産とそのための管理

摘要

前号では、モウソウ≠′クを中心とする竹林が様々な社会的状況の変化や諸外国との貿易による外圧によって放置されるに至った背景とその現状を紹介した。 竹林によっては管理を放棄されるようになって20年近くが経過した例もあるが、現在、これらの竹林を再度、生物資源として見直し、利活用していこうという動きが活発化しっつある。 竹材が持つ物理的な特性、稈や葉が持つ特有の化学性、などに注目して、繊維の利用、表皮の利用、あるいは建築材としての利用、などの新利鞘に向けた研究開発が行われ始めているのが竹林を取り巻く現状である。 その中でも最も早い時期から試みられてきたのが、炭の材料としての竹材利用であり、しつかりとした裏付けのもとに安定した商品として生産する努力をしてきた例として、小浜竹炭年産組合（鳥羽曙組合長／福井児小浜市）がある。