林木育種30年と協会活動を振り返って: 育種センタ一移転事業と小笠原の再生事業

摘要

林木育種に関わるようになってから30年が過ぎた。 想えば，随分と長くなつたものである。林木育種との 最初の出会いは，昭和50年(1975)から5年間にわ たり，九州と関東の育種場長を勤めたのが始まりで あった。九州では，「マツ材線虫抵抗性育種」の事業 化を目指した技術開発を進めるとともに予算要求のた めの資料収集に取り組hだ。激害地の実態や生き残り マッの状況把握が不充分であつたので，自ら九州一円 の現地調査を行い「有望と思われる生き残りマツ」の 検証、拡充等事業の効率化に努めた。53年度に予算 要求を行った力人林野庁段階で対象地域を九州7県と した当初案に加えて瀬戸内，四国7県を追加したため 2億円超の大型要求となった。大蔵省折衝は難航した カ^ 「接種して生き残ったマツ苗木」等の現物を持ち 込み懸命に折衝した結果，事業化が認められた。事業 の実施にあたっては，九州がプロジェクトリーダ一と して丰道した