林木育種の成果シリーズ（13) 一旋回木理の小さい力ラマツー

摘要

昭和30年代から始まった拡大造林によって，カラ マツは，天然分布域の長野県，群馬県，山梨県のみな らず，北海道および岩手県においても大規模に造林が 進められた。昭和40年代後半から，IV齢級以上の林分の増加に よつて間伐材の供給が始まる中で，カラマッ材の 欠点であるャ二の滲出ゃ材のねじれが大きな問題 となった。ャ二の滲出については，人工乾燥工程にお ける脱脂技術の開発カ缝められ改善が図られたが，材 のねじれについては，やはり人工乾燥工程における圧 締技術の開発が進められたものの，カラマッ材は乾燥 による含率の低下に伴い材が大きくねじれてしまう こと力ゝら，技術の確立には至らなかった。そこで川上 の林木育種分野に対して，「材のねじれが小さい」力 ラマツ品種3)開発への取り組みが大きく期待された。