グラビアシリーズ：昆虫の横顔クモヒメバチの驚異的な生活史 (ヒラタヒメバチ亜科，ヒメノ《チ科，ハチ目）

摘要

クモヒメバチは名前の通りクモを寄主どするヒメバチの一群である.我が国には未記載種を含めるど50種あまりが生息している力、詳しい生活史が判明していないものも多い.クモヒメバチは①主に産卵 室を作る徘徊性クモゃ棚網を張るクモを利用するSch—yga亜群，②円網や皿網を張るァシナガグモ， サラグモを利用するズcraafacケ/a亜群，円を張るコガネグモ類や不規則網を張るヒメグモを利用する Po/ヌ"WMCto亜群の3つのグループからなる.あどの2つが姉妹群関係にあり，その共通祖先が空中に網を 張るクモを利用するようになつたど考えられている.クモヒメバチは，非常に強力な捕食者であるクモを 寄主どして利用するようになる過程で，各成長段階における適応的な行動様式や形態を獲得してきた.例 えば洗練された成虫の産卵行動，幼虫による寄主の操作どその結果どしての網の変形なビは，数多ある寄 生バチの中でも極めて特異で，クモヒメバチ研究の一番の魅力どなっている.限られた紙幅ではあるがそ の驚異的な生活史の一端を紹介したい.