ゴボウのトビイロヒョウタンゾゥムシに対するクロチアニジン粒剤の効果的な土壌処理深度

摘要

トビイロヒョウタンゾゥムシScepticus uniformis Konoは.野菜，畑作物や森林などの害虫として古く から知られている（森本，1962)。ゴボウArcri"/n lappa L.では土壌中に生息する幼虫が根部の食害痕 を発生させ，出荷時の商品価値を著しく低下させるこ とから，本種はゴボウの重要害虫となっている（市原 ら，1974:牧野ら，1981;片瀬ら.2006)。鹿児島県では2 ~ 4月に播種を行い.6一 10月に収穫する作型 で本種の被害が特に大きい。現在，ゴボウでの本種に 対する登録薬剤は，プロチォホス粉剤およびプロチォ ホス粉粒剤の2剤と少なく，更に両剤は生育期処理に 限定される。これまで生産現場では防除の省力化が可 能な播種時に処理できる粒剤の農薬登録が望まれてい た。近年，ゴボウではクロチア二ジン粒剤の播種時播 溝土壌混和での登録が見込まれているが，本粒剤の効 果的な処理方法は不明である。そこで.本研究ではト ビイロヒヨウタンゾゥムシに対してク口チア二ジン粒 剤の効果的な処理方法として，本粒剤の土壌処理深度 に着目し，被害軽減効果を検討した。牧野（1982)は. ゴボウ圃場でのトビイロヒョウタンゾゥムシ成虫の発 生が均一でなく，幼虫による根部被害も圃場周辺部で 多く，中央部では少ない傾向で.中央部に処理された 薬剤は効果が過大評価をされることを指摘している。