肥育農場の晴育牛，育成牛に対する呼吸器病ワクチン接種時期の検討

摘要

肥育農場，で飼育され，ている晴育牛および育成牛に対する呼吸器病ワクチンの接種時期を検討する目的で，初生子牛に対し導入時または導入1カ月後にワクチンを1回接種し，呼吸器病ウイルスに対する抗体価を追跡調査した。その結果，導入時接種および導入1カ月後接種においても，抗体価の上昇に差は認められなかつた。 しかし，導入時にワクチン接種した場合は，導入2カ月後から一部のウイルスに対して十分な抗体価を持たない子牛が増加した。 導入1カ月後にワクチン接種した場合は，導入後1カ月間はいくつかのウイルスに対して抗体価の上昇が不十分な子牛を多数認めた。 以上，肥育農場における呼吸器病ワクチンの接種時期は，少なくとも導入時と導入2カ月後の2回接種が望ましいものと判断された。 やむなく1回しか接種できない場合は，導入後1カ月間，子牛は個別飼育して，個体管理を徹底させ，1カ月後に1回接種する必要があるものと考，えられた。