乳牛ケトーシスヘのブドウ糖液静脈内注射と第四胃変位発生の関係

摘要

北海道千歳市の酪農家21戸において分娩後早期にケトーシスを発症した平均3．8産のホルスタイン種成乳牛雌43頭の診療記録を調査した。治療に5％ブドウ糖液1000mLを静脈内注射した11例（5％群）および25％ブドウ糖液500mLを静脈内注射した32例（25％群）の分娩後1カ月以内の第四胃変位（以下DA）の発生を調査した。DAの発生は5％群になく，25％群に31％（10／32頭）あり，25％群の発生率が有意（p＜0．05）に高かった。 産次数，合併症の発生率，血液生化学所見は群間に差をみなかった。 ケトーシス治療に対する高張糖液投与はDA発生のリスクを高める可能性素転唆された。