家畜領域におけるアミノ酸の利用②一乳牛における飼料利用を中心に一

摘要

アミノ酸の利用に関して長年の歴史を有するわが 国において，アミノ酸の飼料利用の歴史もまた半世 紀に及hでおり，現在では，わが国において飼料添加物として12種類の製剤の利用が認められている (ァミノ酢酸，DL-ァラニン，レアルギニン，塩酸レ リジン，L-グルタミン酸ナトリウム，2-デァミノ-2-ヒドロキシメチォニン，DL-トリブトファン，レト リブトフアン，レトレオニン，レバリン，Dレメチ ォニン，硫酸レリジン）。単体アミノ酸そのものは， ①呈味成分，②栄養成分，③薬理機能等の利用を目 的として使用されており，世界でもっとも多く生産 されているグルタミン酸をはじめ，ほとhどの単体 アミノ酸の生産量は増加傾向にある。もちろh， 飼料用アミノ酸の伸びも著しい。さて，アミノ酸の飼料利用は，栄養素としての利 用が基本であり，精密な栄養管理による飼料費の削 減と4又益の拡大を目的として活用することが試みら れてきた。したがって，単体アミノ酸の製造コスト とその普及は表裏一体であり，その意味で発酵方式 により，大量に低価格のァミノ酸供給が可能となる ことで実用化が進展したものといえる。現在では，飼料用アミノ酸のうち，レグルタミン 酸ナトリウム，塩酸L-リジン，レトレオニン，レト リブトフアンなどが発酵法により生産されている。