「種から国産」--純国産鶏、卵肉兼用種「岡崎おうはh」の開発--

摘要

現在，我が国の養鶏産業は，海外の種鶏に大きく依存 しており，海外から多くの種鶏ヒナが輸入されていま す。育種方法は，卵用鶏と肉用鶏とに大別され，それ ぞれの用途に向けられた改良が進められてきました。生 産者からは「国産へのこだわり丄「これまでの卵用鶏と は異なった'鶏」という差別化を望む声があり，それが循 環型農業に寄与する純国産鶏、卵肉兼用種「岡崎おうは h」（写真1)開発のきっかけとなりました。純国産鶏とは，「我が国の気候風土や食習慣に合うよ うに幾世代にもわたり育種改良された鶏」と定義されて います。こうした純国産鶏の育種改良は，家畜改良セン ター，都道府県，民間種鶏場の連携、協力により継続し て実施されてきました。しかしながら，これら純国産鶏 による鶏卵生産は，戦後，一貫して減少し，現在では国内生産のわずか6%を占める程度になっています。近年，世界的な広がりを見せた家畜伝染病の発生や， 日本国内における食糧自給率の低下等により，生産者の みならず，流通，消費いずれの関係者からも，「国産」が 注目を集めています。鶏卵ゃ鵄肉が「種から国産」であ ることの重要性が大きな関心を呼hでいます。