植物におけるオーキシン生合成の多様化アブラナ科植物固有の：次代謝錢路から分岐するIAA生合成鏟路

摘要

オーキシンは植物の生長制御におLヽて中心的な役割を果たす植物ホルモンである.オーキシンはィンドール-3-酢酸（IAA)と同じ生理作用をひき起こす物質の総称で， これまでに数種のオーキシンが植物から単離されている が，植物科学の分野で天然型オーキシンといえば一般的にIAAを意味する.IAAが植物から初めて単離された のは1946年であるが，60年以上経った今も，その生合 成経路は明らかになっていない.IAA生合成の解明は植 物の基本的な生長制御機構を理解するために不可欠であ り，植物科学における重要課題の一つである.最近，モ デル植物であるシロィヌナズナに，ァブラナ科植物固有 の二次代謝経路から分岐するIAA生合成経路が存在す ることが明らかになったので紹介する.