柑橘園の士づくり

摘要

近年の果樹園土壌は、以前に比べてどのように変化しているでしょうか？図1は本県のある地域の土壌理化学性を約20年前と比較したもので観これを見ると、最近の傾向としては、作士層の士が硬くなり、酸性化が進むとともに、腐植も少なくなっていることが分かりま観このことは、以前に比べて根域の土壌条件が悪化していることを示していますこ毎年、この時期になるとよく「士づくり」に関する記事やグラビアが掲載されま祝しかし、この実態を見る限り、「土つくり」への取り組みは決して十分ではないことが伺われます。 確かに「士つくり」は、多くの時間や労力を費やす割には、その効果が目に見えて現れ難い面があるために軽視されがちで祝しかも、近年の柑橘価格の低迷や就農者の高齢化に伴う労働力不足等がそれに拍車をかけていると考えられます。 しかし、樹勢を健全に維持することは、果樹栽培の基本で祝その基本があってこそ、マルチや新たな摘果法による高品質果実の安定生産が可能になりま観また、品種更新を行った場合でも、その品種が持つ本来の味を引き出すことが出来るものと思われま観忘れられつつある「士づくり」ですが、今一度考えてみて下さい。