農薬を適正に使用するために

摘要

5月号、6月号で、農薬は環境中に放出される ことを前提に開発され、使用者に対する安全性、 消費者に対する安全性、環境に対する安全性を確 保しなければ登録することはできないことをお話 ししました。農薬は、食を通じて一生涯にわたつ て摂取した場合でも、安全が担保されています。 とはいえ、使用時に適切に使用されなければ、こ の安全性を確保することはできませh。また、農 薬、作物ごとに定められている残留基準値を超過 した作物が市場に出た場合、食の安全性が脅かされるだけでなく、回収や産地のイメージダウンに つながるなど、産地の方々の長年の努力が一人の 誤解や不注意で一瞬にして崩壊してしまうことに なります。表1に農林水産省が実施している農薬使用状況調査結果を示します。年間約10-20件 の違反が確認されており、その原因の多くは、不 注意によるものが多い状況です。本号では、農薬 を適正に使用するために、何をしなければならな いかをお話ししたいと思います。