これからの果樹栽培における低樹高化の展望

摘要

近年の果樹栽培をめぐる情勢は、高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加等、産地における生産 基盤の弱体化が進hでいる。稲作と比べて労力 のかかる果樹では、作業時間が比較的少ない温州みかhでも水田作の10倍程度の作業時間を要している。このことが、果樹の規模拡大を阻hで いる要因でもある。労働時間を削減するために は、低樹高化を図ることにより、果樹特有の作業 とも言える脚立を使った作業時間を減らすことが重要である。りhごの研究では、樹高2 m以下 の脚立を使わない条件と、樹高2 m以上の脚立 を使用した条件では、100果当たりの収穫時間 が脚立を使わない条件では6.9分であったのに 対し、脚立を使った区では11.8分であり、低樹高化により脚立を使わないことで約4割の収穫 時間の削減が可能であつた。低樹高化を図る手 法としては、わい性台木の利用、せh定、整枝に よる低樹高仕立て、植物ホルモン等わい化剤の 使用、コンテナ等の利用による根域制限栽培な どがある。