カキ「太秋」の平棚栽培による高品質、安定、省力化生産について

摘要

福岡県におけるカキ栽培は、2，130ha（2004年現在）で、その多くが傾斜地に立地しており、作業性、生産性とも低くなっています。 さらに、カキは樹高が高くなるため高所での作業が多く、収穫等管理作業に脚立の使用を余儀なくされています。 脚立作業は重労働で危険を伴う等の問題を抱えているため、脚立が不要で安全に、しかも軽労働化、省力化が可能なカキ栽培技術の開発が大きな課題となっていました。 福岡県農業総合試験場では、これらの問題を解決するために低樹高化に向けた試験に取り組み、平棚仕立て法による栽培（写真1、以下平棚栽培とする）を開発しました。 この平棚栽培を導入することにより、作業性が改善できるだけでなく、「松本早生富有」や「富有」では収量が安定し、果実品質が向上することが明らかとなっています。 さらに、近年、全国的に栽培面積が増加している良食味品種「太秋」の平棚栽培を行い、高品質、安定生産の可能性について検討しましたので紹介します。