タバココナジラミバイオタイプBおよびQ成虫のキユウリ久安 2号（きゅうり中間母本候補）に対する寄生ならびに産卵選好性

摘要

タパココ十ジラ Bemisia tabaci (Gennadius)は施設 栽培の野菜生産における世界的に最も重要な害虫の一つ である。本虫は近年，複数のバイオタイプからなる種複 合であることが明らかになつており，日本では在来系統， バイオタイプBおよびQ等が分布している。バイオタ イブBおよびQは殺虫剤抵抗性が発達しているために 防除を行う上で問題となっている。また，直接の吸汁害 だけでなく，トマトでは重要な病害であるトマト黄化葉 卷病の原因ウィルスTomato yellow leaf curl virusを媒介す るため甚大な被害を与えている。 2007年にはメロン退緑黄化病、キユウリ退緑黄化病の原因ウイルスCucurbit clorotic yellows virus (CCYV)の媒介が明らかになり，ゥ リ科野菜においても重要な害虫となっている。タバココナジラミの防除は殺虫剤に対する抵抗性が高度に発達 しているために物理的防除を中心に総合的に行われているが，抵抗性品種の利用も今後重要になると考えられ る。しかし，これまでタバココナジラミが媒介するウイ ルス病に対する抵抗性品種は数多く育成されているが， タバココナジラミの加害、増殖に対する抵抗性を持った 実用品種は存在しない。また，タバココナジラミの抵抗性品種育成のための育種素材の探索もトマトを中心にナ ス科野菜では行われているが，ゥリ科野菜ではほとhど報告がない。ゥリ科野菜においても今後タバココナジラ ミに対する抵抗性品種に対する要望が高まることが予想 されるため，育種素材の探索を行う必要が有る。