施設キユウリにおける播種時の殺虫粒剤育苗培土混和処理によるタバココナジラミバイオタイプQおよび キユウリ退緑黄化病に対する防除効果

摘要

キユウリの重要害虫であるタバココナジラミBemisia tabaci (Gennadius)は，1989年ごろに海外より侵入し たバイオタイプB (大戸，1990)に加え，2004年には バイオタイプQの発生が確認されている（上田， 2006)。本種は，葉の加害により生育抑制を引き起こす とともに，すす病を引き起こす（河名，1992)。また， 本種は両バイオタイプともにキユウリ退緑黄化病（奥田 ら，2008)を引き起こすゥリ類退緑黄化ゥィルスCucurbit cloroticyellow virus (CCYV)を媒介することが知られて いる（行徳，2008)。群馬県では，本病の発生圃場で採 集されたタバココナジラミはすべてバイオタイプQで あった（桑原ら，2009)。行徳（2008)は，本種の栽培 圃場での対策として，バイオタイプQに対して効果の 高い二テンビラム粒剤ゃジノテフラン粒剤の定植時施用 を勧めている。さらに，タバココナジラミが媒介するト マト黄化葉巻病では，ネオニコチノィド系粒剤による媒 介抑制効果が認められている（内川'小川，2005;大 矢-植草，2009)。しかし，殺虫粒剤の定植時の植穴土 壌混和（以下，定植処理）は作業が煩労であり，生産者 の高齢化により省力的な方法が求められている。