北海道大学大学院獣医学研究科プリオン病学講座

摘要

1990年代後半以降我が国では、病原性大腸菌0157、黄色ブドウ球菌毒素集団食中毒、口蹄疫の発生など、獣医学や畜産学と密接に関連する感染症や食中毒事件が相次いで発生し大きな社会問題となりました。 また、2001年には、侵入の危険性が比較的軽視されていたBSEが我が国で発見され、その後BSEは我が国でも大きな社会問題となり、その余波は現在でも続いております。 また、ニパ、ヘンドラウイルス、エボラウイルス、ウエストナイルウイルス、SARS、高病原性トリインフルエンザウイルスなど、次々と新興、再興感染症病原体が出現しています。 動物由来感染症の制御は、動物と人間社会双方の衛生環境維持に深く関与している獣医学に科せられた大きな使命の一つであり、人獣共通感染症への対応や食品衛生分野で、獣医学の貢献が益々求められています。 本講座は、このような背景から当該分野の教育、研究の充実を図るために2003年4月に新設されました。