高度獣医療、 二次診療体制のこの10年間の変遷

摘要

ここ10数年間、道内の伴侶動物二次診療施設は飛躍的な発展を遂げたと言っても過Hではない。その皮切りは、 平成16年に酪農学園大学に近代的な動物医療センターが 新築、開設（10,830 m2)されたことに始まる。開業獣 医師ならびに道民の高度獣医療への期待に応えるべく、 全国に先駆けて、内科、整形外科、腫瘍科/軟部外科、 循環器科、神経科、眼科、麻酔科、行動治療科および画 像診断科というように診療科が細分化され、多様な機能 を備えた専門診療科体制を構築して獣医療サービスの拡 充を図った。待合室も広く、クライアントのァメニティ に配慮した設計は当時としては画期的であった（図1)。開業獣医師との連携にも力を注ぎ、卒後教育セミナ一を 定期的に開催するとともに、開業獣医師の意見、要望を 積極的に汲み取り、道内における一次診療と二次診療の 強固な協力体制の基盤を築く上で大きく貢献した。私自 身、その年の10月から3年間、伴侶動物医療部門に在籍させていただき、意欲的な学生、研修医とともにとても 充実した日々を過ごさせていただいた。また、一致団結 してともに診療に従事した情熱的な教員の先生方から、 多くのことを学ばせていただき、自分自身の成長を実感 できる貴重な体験をさせていただいたことに、この場を 借りて感謝の意を表したいと思う。