系統農協の加工事業に関する流通機能論的分析

摘要

現在の農産物市場では，最終消費者の購買形態が「生食」から加工品へと変化しているといわれる。このような「食の外部化」傾向は，1970年代から急激に強まり，不況下の今日においても中食を中心として拡大を続けている（註1）。 従来は「生食」用として原体で流通し（註2），家庭での調理が必須であった野菜類においても，この傾向は顕著に現れている。 それは，家庭用仕向けが逓減する中での，カット野菜の需給拡大に端的に示されている。 もともとは外食産業などの業務用需要を中心としていたカット野菜であるが，今日－ではその市場は末端消費者への直接販売にまで大きく拡大している。