口蹄疫の現状と今後の対策

摘要

口蹄疫は，口蹄疫ウィルス感染による偶蹄類における水疱形成を主徴とする感染症である.ロ蹄疫 ウィルスは，その伝播力の強さと発症率の高さから，国際的な家畜衛生にとって最も重要なウィルスとされている.2010年，宮崎県において2000年以来，10年ぶりに口蹄疫が発生した.2000年の発生 と異なり，豚での発生が認められたためもあり，終息までに292例の発生農家において牛37,412頭， 水牛42頭，豚174,132頭，山羊14頭，めh羊8頭力?殺処分された.流行地域と殺処分を要する動物 頭数の拡大のため，緊急のワクチン接種が決定された.ワクチン接種動物も殺処分の対象となり，計 76,756頭が殺処分、埋却された.流行は約2.5ヶ月続き，発生から3ヶ月後に全ての移動制限が解除 された.流行拡大の要因は幾つか挙げられている力、今後の対策も含めて考えてみたい.