Web-GISによる持続可能な地域マネジメント--「生命地域」を目指す中山間地域の挑戦

摘要

島根県では1998年，全国で初めての中山間地域研究センター（以下，中山間C）を設立した。 2002年の新庁舎整備を経て，2003年4月より，中山間地域に関する社会·経済，農業·林業·畜産·鳥獣害対策等の分野を総合的に研究し，地域づくり支援と情報発信の拠点機能を併せ持つ研究機関として運営している。中山間地域とは，わが国の国土の7割を占める，都市や平野地域を除く山がちな地域のことであり，全人口比でわずか13.7％が暮らす分散的な居住地城である。 現在，中山間地域は高齢化率が25.1％と,高齢者に偏った人口構造を有し，今後の急速な人口·世帯の減少が予想されている。 島根県を例にとると,全域が中山間指定の町村では,今後25年間で29.7％の人口減少が予測されており,分散的な居住形態への移行に対応した地域運営の構造転換が不可欠となっている。