果樹の冬季中の養分吸収とその重要性

摘要

植物が土から吸収する養分は，チッ素（N）やリン酸（P），カリウム（K），カルシウム（Ca），マグネシウム（Mg）などの多量要素と，鉄（Fe），銅（Cu），亜鉛（Zn），マンガン（Mn），ホウ素（B）などの微量要素である（表り。 この表に示されている各養分は，植物が正常に成長するためには欠くことのできないものであり，必須要素といわれる。 板は，これらの養分を水分と一緒に吸収するが，多くの場合，養分はイオン化して土の粒子表面に吸着されているので，根はHイオンを出し，これと交換して養分を吸収する（図1）。 このような「積極的な養分吸収」を行うことのできるのは，主として新根（白板）の先端部分に発達した根毛である（図2）。 したがって，新根が成育していることが養分吸収には必須条件である。 なお，アミノト酸などの有機成分（炭素を含む物質）も吸収される場合があるが，量的には非常にわずかである。