椿油の歴史

摘要

東京都利島は伊豆諸島にあって面積わずかに4km~2という小さな島ですが、美しい円錐形のほぼ全島が椿の段々畑で覆われ、その面積およそ180ha、椿油の生産量が日本一という、「椿の島」です。　この島の椿油の歴史は、「伊豆海鳥風土記」という天明2年（1782年）の文献に「山木にハ椎、またみ多し、つはき、草タミは家毎の廻りに植て、風を防くたよりとし、又、其実を採て売代替穀を求るといふ」という記述から、およそ230年以上あることがわかっています。「南方海鳥志」という寛政3年（1791年）の史料にも土産の項に「山茶油」とあって、椿油を産出していたことが裏付けられています。これらのことは本会誌「椿」の第40号に報告させていただきました。