循環キヤピラリー養液栽培システムを用いた高糖度卜マ卜生産におけるNO_3-N供給量による成育制御

摘要

近年のトマト生産では，付加価値の向上を目指して水分スト レスを積極的に付与する高糖度トマトの養液栽培が増加して いるuこの栽培法ではトマトの果実糖度を上昇させるため，NaClなどの塩類を添加あるいは増量することによってEC (Electric Conductivity)を高めた高濃度培養液が用いられる.前報では高濃度培養液を構成する成分のうち， 水分ストレスを付与するために増量添加した成分，言い換えると培養液を循環させた場合に残存しやすい成分（Mg. Ca など）とそれ以外で植物成育に必要な肥料成分（NO_3-N， P, K,微量要素）とを分け.それぞれをストレス培養液およ び基本培養液として別系統で給液し，余剰排液はストレス培 養液として循環再利用する循環キヤビラリ一栽培システム（以 下，RCSと呼ぶ）を提案し，高糖度トマト生産が可能であるこ とを明らかにした.培養液の循環再利用が可能な循環キヤビラリ一栽培システム（RCS)を用いた高糖度トマトの3段摘心養液栽培におい て.基本培養液の給液によるNO_3-N供給量が成育.収量 および果実糖度に及ぼす影響を検討した.栽培期間におけるNO_3-N供給量が少ないほどトマトの地 上部生体重，地上部乾物重.葉而積および収穫果すは減少 した力、果実糖度は9%以上で差はみられなかった（試験 1).第2花房開花期まで少ないNO:{-N供給量で.その後 に増加させたS-M区の葉面積は，栽培期間を通じて允分な