植物組織培養における抗酸化物質BHA添加がジャガイモのシュートの生育に及ぼす影響

摘要

一般に植物組織培養においては，切断分割した組織切片を植物にとって比較的高濃度とも言える塩類と糖を添加した培地に移植して培養する．例えば，広く使用されているムラシゲ、スタ一グ培地上）では，シェークロ．一スを30g／gの濃度で添加すると培地の電気伝導度は57mS／cm，培地浸透圧は-039MPaになる（著者による実測値）.このように，継代培養時に切断分割によるストレスと高い浸透圧によるストレスとを同時に受けることになる．また，人工照明に広く使用されている蛍光灯は自然光とは異なる特性を有しているし，24時間連続照明とすることも多ムり　 さらに，植物ホルモン添加の影響や密閉に近い培養容器の影響など，いずれも植物に　 とってはストレスとなるものである．これらのように植物組織培養においては培地や培養環境による様々なスト　 レス下で培養が行われている．