秋田県の秋冬ネギにおけるネギ葉枯病の 発生実態と防除対策

摘要

秋田県におけるネギの作付面積は，2006年の447ha に対して2016年は543 haと，ここ10年で約100 ha増 加している(秋田県，2018)o本県の主な作型は7-9月に収穫する夏どり作型（以 下，夏ネギ）と10-：12 Mに収穫する秋冬どり作型（以下， 秋冬ネギ）に大別され，後者が全体の約7割を占めてい る。近年，秋冬ネギでは出荷部位であるネギ中心葉に黄 色のまだら症（以下，黄色斑紋症状）が発生し，商品価 値の低下が大きな課題となっている。本症状の程度が大 きい場合はネギの品質規格を下げて出荷する，または規 格外品となり出荷できないこともあるため，農業者の所 得に大きな影響を与えている。本症状は，一見すると生 理障害のようである力、三澤（2008)により，ネギ葉枯 病菌が関与する新しいタイプの病斑「黄色斑紋病斑」で あることが明らかにされた。