「水稲用除草剤の直接散布省力製剤の技術動向」

摘要

近年水稲用除草剤は，減農薬，施用法，省力化 の観点から，同じ有効成分で粒剤，フロアブル剤，省力製剤（ジャンボ剤）の3剤型の品揃え が，使用者から望まれている。一方，直接散布省力製剤については，有効成 分となる生理活性物質の物性が，その製剤設計 に大きく影響するため，各社の製剤担当者はこ れら3剤型の製剤設計に苦慮している。製剤面から，この3剤型の特徴を比較してみ ると，一般的な1キロ粒剤，3キロ粒剤などは， 通常施用後に水中で有効成分が放出し，水の対 流などにより溶解した有効成分が拡散する形態 をとる。そのため，有効成分の物性にもよるが， 有効成分が放出するのに日単位の時間が必要と なる。反面，溶出速度が遅い分，降雨などによる 有効成分の流亡の影響を受け難い特徴を有して いる。