小さいサイズの極限—生物はどこまで小さくなれるのか

摘要

微生物の最小サイズは一般に0.2ym前後とされ，孔怪0.2mのフィルターによる除菌が広くおこなわれている。し かし，近年になって，系統的にまったく新しい極微小バクテリアがこのフィルタ一を通過することがわかった。また 一方，長径1jumをも超える巨大ウイルスが発見されており，生物と非生物を隔てるサイズの境界がなくなりつつある。微生物は目に見えない小さな生き物 の総称である。そこにはカビゃ酵母な どの菌類，ミドリムシゃァメーバなど の原生生物，パクテリァ（細菌類）と いった多様な生物群が含まれる。我々 ヒトカひ真核生物」に分類されるのに 対し，細胞核をもたないバクテリアは 「原核生物」とよばれ，とくにサイズ が小さい。例えば，大腸菌は長さ力;'1-2声(1戶は1,000分の1mm), 直径が0.5-1の円筒状の形態を 持つ。原核生物にはほかにァーキア（古 細菌）という生物群が知られる。