ァボリジニーの全ゲノム酉5列から探る 現生人類の「出アフリカ」拡散

摘要

現生人類(ヒト:Homo Sapknce)は， どこで生まれ，どのように世界へと拡 がってきたのか？現在，地球上のあ らゆる地域に拡散したヒトは，一般的 にそれぞれの地域名をとつて「ァフリ 力人」，「ヨーロッパ人」，「アジア人」 と呼称されている。このように便宜的 に分けられた地域集団は，互いに明確 な境界線があるわけではない1)。また， 地域集団内にも，顔つき，背丈，肌の 色や髪の毛といった形質は個体によつ て多種多様である。この多様性こそま さにヒトという種の特徵であり，進化 の産物としてのヒトとその歴史を知る ことが私たち一人一人の生物学的本質 を理解するうえできわめて重要である ゆえhである。 馳人類の起源へと迫る最初の遺伝学 研究として，1987年に母性遺伝するミ トコンドリアのゲノム(通称"mtDNA") が世界中の5つの地域集団から抽出さ れた147個体について分析された。 mtDNA多型にもとづく系統分析と分 岐年代推定により，世界各地へと拡がつ たヒトは約20万年前にァフリ力で誕生 した共通の祖先に由来し，約10万年前 に始まつた「出アフリカ」拡散によつ て多様な集団へと分化してきたことが 明らかとなった。