肉用牛広域後代検定の概要：都道府県域を越えた黒毛和種育種資源の交流促進

摘要

わが国における肉用牛（黒毛和種）の育種改良は、これまで専ら都道府県を単位として行なわれてきました。 すなわち、肉用牛の育種改良事業を行なう都道府県（以下：改良実施県）は、①優良な種雄牛と雌牛を計画交配し、②生産された候補種雄牛について後代検定を行ない、③選抜された種雄牛の精液を県内の繁殖農家へ供給するという手法をとってきました。 一方、肉用牛の改良事業を行なっていない都道府県（以下：非改良実施県）が存在することから、（社）家畜改良事業団（以下：家畜改良事業団）が、全国各地から収集した候補種雄牛について後代検定を実施して優良種雄牛を選抜し、これらの非改良実施県を対象にその精液を供給しています。