草地利用研究分野

摘要

平成に入り過疎化および農業従事者高齢化 の加速に伴い、中山間地を中心に耕作放棄地 が増加してきた。耕作放棄地は景観を孭ねる だけでなく、獣宵の増加、周辺環境への悪影 響、生産意欲の低下などの要因にもなつてお り対策が求められてきた。そこで農地の回復-保全と肉用繁殖牛飼養の低コスト化,省力化 を図るために、小面積で分散した複数の耕作 放棄地を組み合わせて放牧牛を移動させて利 fflする「小規模移動放牧」を開発し、現地実 証試験、マニュアルの発行等により普及推進に 努めた。また、S給飼料を活用する省力的な 畜産技術として放牧が阵評価され、多様な放 牧形態に対応する技術開発が望まれてきた。 特に水田跡地は飼科生産の場としての利Wと 同時に、放牧利ffl面積が急速に拡大していた ことから、土壌が湿潤なため牧草が生育しにく レ>水田跡地で、栽培ヒェを用いて放牧期間を 延長する技術を開発した。さらに放牧飼育に よる家畜の健全性や生産物への効果が期侍さ れているが、情報が不足していたことから、放 牧飼育の特徴である「行動の自由」、「口光浴」等により家奋の免疫機能が向上し、放牧した 場合、舎飼いに比べて牛乳の機能性成分や 牛肉の筋線維横断面積が増加することを示し た。このように、放牧により健全で特徴ある畜 産物を生産することにつなげようとした。