鳥インフルエンザの防疫対策一第275回鶏病事例検討会講演概要一

摘要

わが国では、平成26年4月に熊本県で高病 原性鳥インフルエンザ（HPAI)の発生がみられ、 韓国で発生、分離された株に近い遺伝子を持 つH5N8亜型であることが示された。その後、 平成26年12月から平成27年1月の間に、宮崎 県で2例、山口県、岡山県および佐賀県で各1 例の計5例のHPAIの発生がみられた。各県 の迅速な対応の結果、わが国ではその後の発 生はみられていない。それらの発生株は、いず れも韓国で分離されたH5N8亜型に近い性状を 持つ株であることが示されたが、中国、台湾、 韓国でみられるような続発、群発などの発生状 況とは異なっている。このような状況の中、独立 行政法人農業、食品産業技術総合研究機構動 物衛生研究所が3か月ごとに開催している鶏病 に関わる勉強会である鶏病事例検討会の中で、 「鳥インフルエンザの防疫対策」というテーマで 第275回検討会が平成26年12月19日に開催さ れた。以下に示す5題について講演があつたの で、その概要を紹介する。