乳牛の繁殖性が低下する原因につて

摘要

家畜の繁殖性の良否は、畜産業の生産性に 直結する極めて重要な要素である。しかしなが ら、酪農においては、初回人工授精受胎率がぶhべh過去20年間低下の一途で、分娩間隔も延長し 続けている。特に経産牛の受胎率が顕著に低 下しており、現在は40%を下回っている。一方、 種雄牛の後代検定と雌牛の牛群検定を活用し た育種改良の推進により、ホルスタイン種の泌 乳能力は飛躍的に向上している。過去20年間 の平均で見ると、経産牛の受胎率が約20%低 下し、分娩間隔が約30日延長したのに対し、 乳量は約2，000kg増加している。つまり、これまでは改良による乳代の増加が，殖性低下に よる収入減少を相殺しても余りある状態だつた といえる。ところ力-、近年の世界的な穀物需要 の増大を背景とする飼料価格の高騰や、人口 減少と景気低迷に伴う乳製品需要の後退など が原因で酪農の収益性が低下したため、さらな る生産性の向上が必要となり、乳牛の繁殖性 改善の重要性がこれまで以上に高まっている。