家畜個体識別全国データベース情報の提供開始について

摘要

昨年9月にわが国で最初の牛海綿状脳症（BSE）が発生したことに伴い、乳牛を中心に一部地域でモデル的に取り組まれていた「家畜個体識別システム」を国内のすべての牛（約450万頭）に拡大することが決定され、耳標の一斉装着と家畜個体識別全国データベースの構築が始められた。 BSEの発生を契機として食品の安全性に関する消費者の関心が一挙に高まり、生産、加工、流通等のフードチェーンの各段階で食品とその情報を追跡できるシステム（トレーサビリティ、システム）導入の必要性が論じられるようになったが、個体識別システムほ牛肉におけるトレーサビリティの基礎となるものである。 本年10月から、全国データベース情報のインターネットなどを通じた提供を開始したので、その仕組みと現状について概略を報告する。